コーヒーの国際価格が、去年の11月をピークに下がっている。6月9日には約2年ぶりの安さになった。
日本が輸入する生豆の値段も、6月は1キロおよそ989円。前年の同じ月より少し安い。
ただし喜ぶのはまだ早い。6月の終わりに相場は急に反発した。今年前半をならすと、去年よりまだ1割ほど高い。
数字は国際コーヒー機関(ICO)の月報から。全日本コーヒー協会が日本語にして出している。
コーヒーの国際価格は、1ポンド(約453グラム)あたりのセントで表される。
去年11月が330.44セントで、ここが山だった。そこから下がり続け、今年2月267.57、5月256.05、6月248.90。山からは約25%下がった。
6月9日には231.96セントまで下がった。約2年ぶりの安さだ。
ここまでが値下がりの話。ここからが逆の話になる。
6月の終わり、相場は17.4%も跳ね上がり、272.39セントで月を終えた。理由は二つ、とICOは書いている。年末にかけて「スーパーエルニーニョ」になるという見方が強まったこと。そしてブラジルの産地で、平年をかなり上回る雨が降り、収穫が遅れて豆の質にも影響が出たことだ。
天候がまた相場を動かす主役になった、という書き方をしている。
日本側の数字も見ておく。財務省の貿易統計をもとにした協会の集計では、今年6月に輸入された生豆は1キロおよそ989円。去年6月はおよそ1,027円だったので、少し下がった。
ただ、1月から6月をならすとおよそ1,062円。去年の同じ時期はおよそ950円だったので、まだ1割以上高い。輸入量そのものも1割近く減っている。
関係が濃いのは、豆や粉を定期的に仕入れている店だ。カフェ、喫茶店、それにコーヒーを出す食堂も入る。
この2年、豆の値上がりは続いていた。国際価格の年平均は2023年が165セント、2025年が318セント。ほぼ倍になった計算だ。その坂道が、いったん平らになりかけている。
ただし、相場が下がってもすぐには店の仕入れ値に届かない。生豆は焙煎され、卸を通って店に来る。その間に時間がかかるとみられる。今日明日の値下げを期待する話ではない。
紅茶や日本茶が中心の店、ドリンクを外部から仕入れている店には、当面は薄い。
「下がったから安くなる」と決めない方がいい。理由は三つある。
一つ、6月末の反発。エルニーニョも、ブラジルの天気も、これからの話だ。
二つ、円安。国際価格はドルで動く。6月の為替は159.69円だった。ドルで下がっても、円では下がらないことがある。
三つ、時間差。輸入の値段と、店が焙煎業者から買う値段は別物だ。
小さく試すなら、次に仕入れ先と話すとき「相場は6月に2年ぶりの安値をつけたそうですね」と一言聞いてみるくらいでいい。値下げを迫る話ではなく、この先の見通しを教えてもらうための一言だ。値段を上げたばかりの店が、あわてて戻す必要もない。
相場が下がったのは事実で、ICOの月報という一次資料に載っている。ただ段階を「予兆」としたのは、店の仕入れ値に届くかどうかがまだ見えないからだ。
この見立てが外れるとしたら、スーパーエルニーニョが本当に来て、ブラジルの作柄が崩れる場合だろう。そのときは6月末の反発が、下げ止まりの合図だったことになる。
記者 安東 菜津
コーヒー豆は、2カ月に1回くらい、まとめて買っている。値上げの話は、聞いてないな。
コーヒーの値段も、まだ上げたことがない。
……と書くと、値段を守ってきた店みたいに聞こえるけど、そういう話じゃない。まだ上げていない、それだけ。
この2年で豆の相場がほぼ倍になった、と記事で読んでも、うちにはまだその連絡が来ていない。遠くで雷が鳴っているのは聞こえるけど、まだ肩は濡れていない。そんな感じだと思う。
米が下がり始めたって聞いたから、今後の動きの予想みたいなのは知りたいな。どうして下がったのか、この先どうなりそうなのか、とか。
次に豆をまとめて買うとき、何か変わっているのか。それとも何も変わらないのか。そこはまだ、分からない。