2026年10月1日に酒税が変わります。ビールは1リットルあたり26円下がり、発泡酒と新ジャンルは20.75円、チューハイやサワーの多くは20円上がります。
大手ビール会社は、この増減を反映して10月1日納品分から出荷の価格を変えると発表しています。
生ビールをよく出す店は仕入れが軽くなり、サワー中心の店は逆になる可能性があります。
2017年に決まった「ビール系のお酒の税をひとつにそろえる」作業が、2026年10月1日で最後の段階に入ります。
国税庁の税率表では、ビールは1キロリットルあたり181,000円から155,000円へ下がります。発泡酒(麦芽の割合が25%より少ないもの)と新ジャンルは134,250円から上がり、3つとも同じ155,000円にそろいます。
チューハイやサワーの多くが入る「その他の発泡性酒類」も、80,000円から100,000円へ上がります。350mlに直すと、ビールは約9.1円下がり、発泡酒と新ジャンルは約7.3円、チューハイ類は7円上がる計算です。
キリンビールは5月20日、サッポロビールは6月4日に、10月1日の納品分から出荷価格を変えると発表しました。キリンの資料は、ビールは減税、発泡酒・新ジャンル・RTD(缶チューハイなど)・「その他樽詰商品(樽詰サワーなど)」は増税、と分けて書いています。
関係が濃いのは、生ビールをよく出す店です。酒税は容器ではなく量にかかるので、樽でもペットボトルでも、ビールなら1リットルあたり26円分が軽くなる計算です。19リットルの樽で約494円、小型サーバーの3リットル容器で約78円。ただし仕入れ値が同じだけ下がるかは、メーカーと卸の改定しだいで、まだ分かりません。
逆に重くなりそうなのは、樽詰サワーや缶チューハイをよく使う店です。1リットルあたり20円、350mlで7円ほど税が上がります。
一方、焼酎を炭酸で割って作るサワーや、ウイスキーのハイボールは、元になるお酒の税率が今回は変わりません。同じ「サワー」でも、作り方で影響が違います。お酒を出さない店には、直接は関係しません。
税が下がるからといって、生ビールの値段をすぐ下げると決めるのは、少し早いかもしれません。10月は最低賃金が上がる時期とも重なります(発効日は県で違います。PASSの7月29日の記事)。
在庫をとても多く持つ店には、手持品課税(戻税)という手続きがあります。2023年10月のときは、値上げ対象のお酒を1,800リットル以上持っている場合が対象で、国税庁の手引には「酒場・料飲店等を経営されている方も含みます」とありました。2026年10月分の案内は、7月31日の時点ではまだ出ていません。
小さく試すなら、1週間だけ、生ビール・サワー・ハイボールが何杯出たかを数えておく。お金はかからないし、10月に自分の店で何がどれだけ動くかが数字で見えます。
forecast_stage は「予兆」です。税率が変わること自体は決まっていますが、店の仕入れ値がいくら動くか、それが値段にどう出るかは、これからだからです。
確認できていないのは、各社の品目ごとの改定幅、卸の価格、2026年10月分の手持品課税の扱いです。外れるとすれば、減税の分がメーカー・卸・店のどこかで吸収され、店の仕入れ値がほとんど動かない場合とみられます。
記者 安東 菜津
うちは樽のサワーを使ってなくて、生ビールはキリンのタッピーです。だから今回の話でいうと、上がるほうじゃなくて、下がるほうにいるらしいです。
らしい、と書いたのは、実感がないからで。言われてみれば、仕入れ値が下がった経験って、僕はないかもしれない。ずっと上がるほうしか見てこなかったので、下がると聞いても、どこか他所の話みたいに聞こえます。
たぶん、ビールの仕入れ値が下がっても、うちは売値を変えないと思います。値段って原価だけで決めてなくて、何を売りたいかのバランスと、原価率の数字を見て決めてるので。
こう書くと、ちゃんと考えて決めてるみたいに見えるんですけど、そんなにきれいなものでもないです。下げるのは指一本で動くのに、戻すときは肩から力を入れないと動かない。だから最初から動かさない、というのも正直あると思います。
じゃあ下がった分をどこに置いておくのか。まだ決めてないです。